この時期に来て、成績・テストの点数が思うように伸びてなくて合格率が低い状況なのに、あまり勉強してる姿が見られないんです。親としては、どうすればいいんでしょうか?
11月ごろから冬休みに入るあたりのこの時期、とりわけ受験生の保護者さまからお子さまの勉強についてご不安のお声を頂戴することがあります。
もし、これをご覧の保護者さまも同じようなご不安をお持ちなら、ぜひ2,3分ほどお時間を取っていただいて、これからお伝えすることをご覧になってみてください。
このブログは、札幌市豊平区にある学習塾塾長が長年の指導経験に基づいて書いております。
ご覧いただくだけでも、ご不安が和らぎ、お子さまが自発的に勉強に向かうきっかけをつかんでいただけると思います。
このブログを書いている人
高屋塾長:高屋 裕明(たかや ひろあき)
学習習慣化の専門家
- 札幌市出身
- 北海学園大学法学部卒
- 学習指導歴15年
- 指導生徒数1,000人以上
- 脳科学と心理学を取り入れた学習習慣形成のプロ
- 人をやる気にさせる「ペップトーク」認定講師
自身が通っていた大学受験予備校の講師との出会いから、学習塾講師を志す。
大学時代から、アルバイトで学習塾講師として働きはじめ、卒業後は群馬県にある大手学習塾に就職。15年間で1,000人以上の生徒たちを志望校合格に導く。つねに、生徒たちの言葉を傾聴することを心がけ、成長を見守ることができる学習塾講師の仕事にやりがいを感じる日々を送っている。
ただ受験に必要な知識を教えるだけでなく「何のために生まれて、何をして生きるのか?」を一緒に探すドリームサポーターでありたいという強い想いから、2022年生まれ育った札幌に戻り「高屋塾」を開く。
座右の銘は「道は自分で作る、道は自分で開く、人の作ったものは自分の道にはならない」(詩人 相田みつをさんの作品より)
努力しつづけることがライフワークであり、子どもたち以上に努力しつづけている大人であることをめざして、現在は英検1級とトライアスロンに挑戦している。
保護者さまは、●●能力が高い
私の長年の観察では、この時期(2学期末)はお子さまよりも保護者さまのほうがご不安が強くなる傾向があります。
保護者さまは、すでにご自身が受験を経験されていたり、人生を経験していらっしゃいます。
ですので、お子さまよりも「危機管理能力」が高いと言えます。
それゆえに、ご不安が強まるのだと思うんですね。
そしてそのため(悪気なく)、お子さまより先回りした言動をなさることがあるのも事実です。
しかしそれが、お子さまにとってはストレスになってしまって、かえって親子関係をこじらせてしまう原因になることも少なくありません。
また、人間の無意識の反応として、不安が強まるとそれを紛らわせようとします(これも、危機管理能力のひとつです)。
その結果、保護者さまが意識しておられる以上に、お子さまに対して威圧的な言動になってしまうこともございます。
これでは、保護者さまにとってもお子さまにとっても望ましい状況からは遠ざかってしまいます。
そこで、私はこの時期、保護者さまにつぎのことをお願いすることがあります。
保護者さまへのお願いとは?
ズバリ、つぎの2つのことをお願いしております。
- 保護者さまの役割は、お子さまの「サポーター(応援団)」
- 親子とはいえ、ご自分とお子さまの人生は別々であると、切り分けて考えていただく
私として、一番保護者さまに協力をお願いしたいことは、お子さまの体調管理とお子さまを応援していただくことなんですね。
たしかに、お子さまの姿を見たら「勉強しなさい」や「テキストの問題解いたら?」なんて言いたくもなるお気持ちもわかります。
ただ、このような状況をスポーツに置き換えて考えてみてください。
「練習しなさい」や「こういう練習したら?」なんていうことは、コーチや監督が行うものだと思うんですね。
そして、その道の専門家であるコーチや専門家のアドバイスのほうがより的確であり、より効果的であると思います。
このとき、サポーターが選手の一番の力になるのはスタジアムに足を運ぶなどをして選手を応援することではないでしょうか。
事実、選手たちは試合後のインタビューなどで「サポーターの応援が力になる」ですとか「サポーターの応援のおかげで、勝つことができた」、「これからも、応援よろしくお願いします」と発言しています。
それくらい、応援って力になるんです。
そのように考えますと、お子さまの成績アップや自発的に勉強に向かわせることは、その道の専門家にお任せいただいたほうがいいと思います。
それは、学校の先生であったり私のような塾講師になります。
お子さまは、3つの不安と向き合っています
私自身、長年、保護者さまとも接してまいりましたので、保護者さまのご不安も痛いほど理解しております。
ただこの時期、お子さまも不安であることは間違いないんですね。
にも関わらず、どうしてお子さまが勉強しようとしないのか?
それは、子どもたちがつぎの「3つの不安」を抱えていることが原因であることを、私は突き止めました。
- What:何を勉強すればいいのか?
- How:どうやって勉強すればいいのか?
- Why:なんのために、勉強すればいいのか?
実は、これらの不安を解消できればお子さまは自発的に勉強に向かいはじめます。
ただ率直に申し上げて、お子さまがそのときどきにおいてどの不安に苛まれているのか?を見極めることは容易ではありません。
また「勉強は、ここまでやればOK」というゴールがあるわけではありません。
そのため、勉強をつづける過程では3つの不安がクルクルと入れ替わるように、頭をもたげてきます。
ある単元を勉強して理解できたとしても、そこからさらに成績を伸ばすためには、ひとつ上のレベルでのWhatやHowの不安が現れます。
そして、勉強をつづけていると、ふとしたときに「そもそも、なんのために勉強してるんだろう?」と勉強する意義を見失ってしまうこともあります。
これらを認識したうえで、最適な言葉がけやアドバイス、指導ができるのはやはり学校の先生や塾講師などの指導者だと私は思います。
ですので、お子さまが勉強せずにご不安な保護者さまにおかれましては専門家にお任せになられることをお勧めいたします。
ご自分を責めないでください
ご自分とお子さまを“切り分けて”認識することを意識されるだけでも、保護者さまのご不安はかなり和らぎます。
とりわけ、お母さまにおかれましては、もともとお子さまがお腹の中にいらっしゃったわけですので、お子さまを自分ごとのようにお感じになるのはムリありません。
しかし、それでもあえて私がお伝えさせていただきたいのは、保護者さまとお子さまは別々の人であるということです。
保護者さまには保護者さまの人生があり、お子さまにはお子さまの人生があります。
それぞれの人生において、それぞれ果たす役割があり価値観や能力も異なります。
そして、お子さまにはお子さまの人生を生きていただく必要があります。
そのようなスタンスでいられると、保護者さまはお子さまのことで過度に不安になられたりご自分を責めることが少なくなると思います。
ただ、ご家族でありお子さまであることには変わりません。
ですので、保護者さまにはぜひお子さまのサポーターであってほしいと思います。
サッカーにおいてサポーターは、仮に試合で負けたとしても、またつぎの試合は応援しますよね。
それと似ていて、もし仮にお子さまがテストでいい点数が取れなかったとしても、またサポートしてあげてほしいと思います。
そのように、お子さまと心理的に最適な距離感を保ち、サポーターとしてお子さまに接していただきますと、お子さまは失敗を怖れなくなります。
「失敗してもいいんだ、だからチャレンジしよう」という意識が芽生えます。
そんなに勉強やったら大変だから休んでよ
私の長年の経験から申し上げますと、学力の高い生徒ほど安心して努力したりチャレンジする傾向があります。
そして、そのようなご家庭ほど保護者さまが、これまでお伝えしてきた“サポーター”としての役割に徹しておられるように感じます。
「あなたが目指していることなんだったら好きにやりなさい、やりたくなくなったら辞めなさい」
こういった言葉がけが、実際に行われていると生徒から耳にします。
お子さまとしては「いつでも自分の好きなようにしていい」という安心感があると、前向きな行動を取りやすくなります。
子どもたちは、みんな「受験からは逃れられない」と思っているんですね。
そして、逃れられないものだと逃れたくなるのが人間です。
だからこそ「辞めたいんだったら辞めていい」という安心感を与えてあげてほしいと思います。
それどころか「先生、ウチの親が“そんなに勉強やったら大変だから休んでよ”って言うんです」と私に相談する生徒もいたりします(笑)。
だけど、その生徒はのびのび勉強しているんですね。
このように、お子さまに安心感を与えてあげるほうが、結果的に「自分で決めたからやるよ」と勉強にチャレンジするようになります。
ここを褒めてあげてください!
また、サポーターとしてお子さまを褒めてあげてほしいと思います。
とりわけ、過去のお子さまと比較して「行動面の変化」を褒めてあげてください。
例えば、以前のお子さまと比べて「テレビやスマホを短い時間で切り上げて、自主的に勉強に向かった」という“行動”を褒められ、認められるとお子さまの気持ちが満たされます。
お子さまが自主的に行動したことは、お子さまとしても褒められるためにした行動ではありません。
にも関わらずそれを褒められると、お子さまは「自分のことをちゃんと見てくれている」や「そこ見てくれてんだ」と感じます。
そして、お子さまとしてはめちゃくちゃうれしい気持ちになるんですね。
このように、自主性が評価されることが、お子さまの主体性やチャレンジ精神を育みます。
逆に、他者と比較することはもっとも避けるべきです。
他者との比較は、私たち塾講師など学習指導のプロが塾内でライバル心を芽生させるために行う高等テクニックです。
ですが、私たちでも頻繁に用いることはありません。
むしろ、過去のお子さまと比較することができるのは、ずっとお子さまと一緒にいる保護者さまだからこそできることでもあります。
どうか、点数や成績に関係なく、行動面においての成長を褒めてあげてほしいと思います。
不安なときには思い出してください
「高屋先生がおっしゃることは理解できます。そして、大切なことだと思うんです。でも現実的に、ウチのコは家で勉強しないんです…。このままだと、合格できなかったり私立高校になるかもしれないし…」
本当そうですよね…。
そして、そのようなお言葉をこれまでたくさんの保護者さまより伺ってまいりました。
だから、ご不安になられているのは決してあなただけではないと、お伝えさせてください。
そのうえで、ご不安が大きくなってお子さまに声をかけたくなったときには、思い出していただきたいことをもう一度お伝えします。
「子どもと親の人生は別々」
この前提を覚えておいていただくだけでも、保護者さまのお気持ちが和らぎます。
ちなみに「子どもと親の人生は別々」は、放任することを勧めているわけではありません。
お子さまが、安心してチャレンジできる環境を整えることが目的です。
そして、保護者さまが落ち着かれることで、お子さまも不安を抱えていることにお気づきなるはずです。
すると、最適な言葉がけや褒めることもできるようになります。
- あなたが行きたい高校に行きなさい
- 自分ができる努力をして行きなさい
- あなたがやりたいようにしなさい etc
これらの言葉が、保護者さまとお子さまによりよい状況をもたらしてくれます。
笑顔で春を迎えられますように…
最後にくり返しますが、保護者さまは「サポーター」でお子さまは「選手」です。
選手がお子さまであるなら、取り組み方やそのペースの主体はお子さまにあります。
ですので、サポーターである保護者さまはお子さまのペースに寄り添ってあげてお子さまに伴走するように応援してあげてほしいと思います。
そして、もし保護者さまだけでお子さまの学習および受験勉強をサポートするのが難しいと判断された場合には、当塾をご活用ください。
保護者さまだけで、がんばらないでください。
私にも、お子さまが望む未来を切り拓くサポートをさせてください。
保護者さまにとっても、お子さまにとっても望ましい春が迎えられますことを願っております。
最後まで、お付き合いくださいまして感謝いたします。