勉強する気が起きない…
「家だと、なんか勉強する気になれないんだよなぁ…」
先日、ある生徒がひとり言のように、ぼそっとつぶやいていました。
もし、お子さまが「勉強する気がなさそう」ですとか「本人(=お子さま)がやる気になるまで様子を見よう」ですとか「やる気が出れば、勉強するはず」とお考えでしたら、どうか2,3分ほどお時間を取っていただけないでしょうか?
そして、これからお伝えすることをご覧になってみてください。
このブログは、札幌市豊平区の学習塾塾長が指導経験に基づき執筆しております。
読むだけでも、お子さまが勉強に向かいやすくなるヒントをつかんでいただけるはずです。
成績が伸びないのは“やる気”のせいではありません
こんにちは、札幌市豊平区で高屋塾を開校しております高屋裕明と申します。
私はこれまで、学習塾講師として15年間で1,000名を超える子どもたちの成績アップ・志望校合格をサポートしてまいりました。
この間、幾度となく生徒たちから「やる気が出ない」という言葉を耳にしてまいりました。
そして同時に、多くの生徒・保護者さまが(無意識に)やる気さえ出れば勉強に向かうことができると思い込んでいらっしゃるように感じてまいりました。
目に見えない、得体の知れない「やる気」なるものがどこかにあって、それがまだ自分の中にないから勉強ができないという雰囲気すら感じます。
しかも、然るべき時期になればやる気が自然に出ると(真剣に)思っているようなんですね。
ですが、実際に成績を伸ばすためには、むしろ“やる気は出すべきではない”と私は考えています。
成績を伸ばすカギ「コンフォートゾーン」とは?
成績を伸ばすうえで、重要なカギを握っている要因のひとつに「コンフォートゾーン」があります。
例えば、30分間ゲームをするのと勉強をするのではお子さまにとってどちらが楽チンでしょうか?
ほとんどのお子さまは、ゲームではないかと思うんですね。
取り組む時間や運動量はほぼ同じなのに、体感的に時間の長さや疲労感、達成感に違いが出るのはなぜでしょう?
それは、ゲームがコンフォートゾーンでの活動に対し、勉強はコンフォートゾーン外での活動だからです。
「コンフォートゾーン」とは、脳が心地よいと感じ、ストレスや不安がなく、慣れ親しんだ居心地のよい環境のことを指します。
安心安全で、先のことが容易に想定できるコンフォートゾーンでの活動は、抵抗感なく行うことができます。
しかも、時間の経過が早くなる傾向があります。
それに対して、コンフォートゾーン外の活動はそれをやろうと思った瞬間に抵抗を感じます。
例えば「30分間、英単語を覚える」、「ダイエットをする」、「外を走る」といった活動に抵抗を覚えるのは、それがその人にとってのコンフォートゾーンの外にあるものだからです。
つまり、勉強する気が起きないのは「勉強すること」がコンフォートゾーンの外にあるからなんですね。
もっとも成績が伸びやすい状態とは?
ちなみに「やる気が出れば勉強ができる」と思い込んでいる生徒や保護者さまの多くが「やる気が出る」とは、心拍数がバクバク上がってアドレナリンが出て「よっしゃ!やるぞ!」となっている状態だと考えておられます。
しかし、勉強することが習慣化している状態では、どちらかというと逆のような感覚が生じています。
勉強することが当たり前で、やらないとムズムズする感覚があります。
またそれは、例えるなら多くの人にとっての「歯を磨くこと」に似ています。
毎朝、歯を磨くたびに「よっしゃー!歯を磨くぞー!」とは思わないですよね。
当たり前のように、淡々と磨くと思います。
なぜなら、歯を磨くことがコンフォートゾーンでの活動だからです。
以上を踏まえると、勉強することをコンフォートゾーンでの活動にすることができれば、自然に勉強を継続でき、着実に成績は伸びます。
淡々と(歯を磨くかのように)、ノートを開く、テキストを読む。
これが、もっとも成績が伸びやすい状態と言えます。
むしろ「よっしゃ!」と気合いを入れて取り組むほうがムリがあるので長続きしません。
つまり、やる気や気合いなんて出さないほうがいいんです。
コンフォートゾーンの外に出られる人 or 戻る人の違いとは?
人は誰しも、コンフォートゾーンの外にあることをやろうとすると、コンフォートゾーンに戻りたがる傾向があります。
とりわけ、今までやっていないことをやろうとするときには、はじめに肉体的にも精神的にも大きな負荷がかかります。
言い換えるなら、コンフォートゾーンの外に出ることへの大きな抵抗感が生じるんですね。
そのため、コンフォートゾーンに戻ろうとします。
しかし、抵抗を感じるのははじめだけで、実際に行動を起こすと「行動する前に感じていた抵抗感は何だったんだ?」と思えるくらい、スムーズに行動を継続することができます。
ですので、コンフォートゾーンの外に一歩踏み出したところから、二歩、三歩と行動を継続することがとても大切になります。
これを勉強に置き換えたとき「義務感」で勉強している生徒は、勉強を継続することに強い抵抗を感じ、コンフォートゾーンに引き戻されやすい傾向があります。
逆に「欲求」で勉強をしている生徒は、勉強を継続することができ、コンフォートゾーンに引き戻されにくい傾向があります。
成績が伸びる生徒の目標の立て方とは?
以上を踏まえ、当塾では生徒たちが「欲求」に基づいて勉強できるように、いくつもの“仕掛け”を散りばめています。
その一例が「目標設定」です。
当塾では、生徒たちにつぎの定期テストでの目標を立ててもらっています。
このとき、生徒たちの目標の立て方は大きく2つに分かれます。
それは「できるかどうか」で立てる目標と「やりたいかどうか」で立てる目標です。
「義務」で勉強をしている生徒は「できるかどうか」で目標を立てる傾向があります。
「前回のテスト結果は〜〜だった。今の理解度は〜〜だ。だから、今の自分だったら今度のテストではこのくらいの点数は取れるだろう」
このような発言をする傾向があるのも、このタイプの生徒の特徴です。
それに対して「欲求」で勉強している生徒は、今の成績に関係なく「今度のテストの目標は450点!」みたいにバンっとめざしたい点数を打ち出す傾向があります。
このタイプの生徒を見ていると、できるかどうか?よりも「この点数を取りたい!達成したい!」というスタンスで目標を立てているように感じます。
また「ちょっと勉強してみよっかな?」といった軽いノリのような雰囲気があり、勉強することへのハードルが低く、実際に勉強に向かっています。
実際に、成績が伸びやすいのは「欲求」に基づいて目標を立てる生徒です。
もちろん、つぎのテストで目標点数に届かないケースもあります。
しかし、長い目で見たときに着実に成績を伸ばしているのは「欲求」に基づいて目標を立てている生徒なんですね。
たかが目標、されど目標
義務で勉強しているか?、それとも欲求で勉強しているか?を生徒本人が自覚することは、容易ではありません。
そのため、当塾では講師が目標の立て方をサポートしています。
何度か目標設定をくり返すうちに、感覚的に義務か欲求かを理解できる生徒はたくさんいます。
ですが、とりわけ義務で勉強している生徒には欲求に基づいて勉強できるよう導いてあげる必要があると考えております。
たかが目標、されど目標。
生徒は、それぞれ能力や性格が異なります。
そのため、目標設定を生徒にすべて委ねてしまうと、目標設定がかえって勉強への悪循環を生んでしまうことがあります。
例えば(どちらかというと)義務で勉強している生徒は、目標がそもそも誰かに立てられたようなものになることがあります。
そのため「○点取らなければ“いけない”」といった義務感を強めてしまうことがあるんです。
これでは、自分で立てたはずの目標がかえって義務感を強化し、より勉強がイヤイヤになってしまうこともあります。
真面目な生徒ほど陥りやすいワナ
ちなみに、成績に関係なく真面目な生徒ほどコンフォートゾーンに戻りやすい傾向があります。
それは、義務感で勉強しようとしていることが一因だと私は考えております。
「私は、今の成績が〜〜だから、高い目標を立てたら達成できないんじゃないだろうか?達成できないとイヤだし、だからこれだったら取れそうだと思える目標を立てよう。だけど、自分でできそうな目標を立てたんだから、それを達成するために勉強しなきゃダメじゃん」
このような気持ちでは、勉強しなければいけないと思っていても気が重たくなるものです。
その結果、コンフォートゾーンの外に出ること(=勉強すること)が難しくなってしまいます。
また、コンフォートゾーンの外に出て、不快を感じてまで勉強したくないと思っている場合もあります。
ですが、私は人間は生来、成長や向上を本能的に求める生き物だと思うんですね。
だからこそ、これまでさまざまなテクノロジーが発達してきたと思うんです。
塾を利用して!
そこで私は、生徒たちに「塾を利用してほしい」と伝えています。
また「成長とは、日々の行動がワンランクレベルアップすること」も伝えています。
具体例を挙げると、勉強であれば今までよりも学習時間が伸びたり、学習頻度が増えたり、正解が増えたり、取り組む問題が高度になったり、取り組み方の質が高くなったりといったことです。
目標点数を立てたとしても、それを達成するための行動が今までと変わらなければ、実際に目標を達成することは難しいでしょう。
ですが、自分一人で行動を変える(=コンフォートゾーンの外に出る)ことは簡単ではありません。
だからこそ、行動を変えて成長するために当塾を使ってほしいと生徒たちに伝えています。
そして、これまでお伝えしてきたように、コンフォートゾーンの外に出たいかどうかは「欲求」にかかっています。
そのため、生徒たちが欲求に基づいて勉強できるようにサポートすることが当塾の存在意義であると、私は考えております。
ちなみに、コンフォートゾーンの外にいつづけると、やがてそこが新しいコンフォートゾーンに変わります。
当塾で学ぶ生徒たちの多くは、はじめ抵抗を感じていた勉強を今では当たり前のようにできるように変わっています。
それは、コンフォートゾーンが拡がり、成長したことを意味しています。
そのように、勉強含めたさまざまな面において、コンフォートゾーンが着実に拡がる経験をたくさん積み重ねて、高校生〜大学生〜社会人へと成長できるよう、日々生徒たちをサポートしております。
コンフォートゾーンを拡げる、当塾での取り組み
当塾では、生徒たちがコンフォートゾーンを拡げられるよう、具体的につぎの取り組みを行なっています。
- LINEを活用した宿題
- 予習をベースにした授業
- 間違った問題・解けなかった問題のやり直しを徹底
それぞれについて、くわしく説明させていただきます。
LINEを活用した宿題
宿題をする目的は「反復によって、学習を定着させること。それによって、成績アップを実現すること」です。
そのためには、一度にたくさんの宿題をこなすよりも、少ない量であっても毎日コツコツとこなすほうが成果に結びつきやすくなります。
そこで当塾では、LINEを活用した宿題を提供しています。
生徒の学力に合わせて、1日15分以内でこなせる宿題をLINEで送っています。
また、LINEでの宿題には提出期限が設けられています。
そのため、生徒に「勉強を先延ばしにしない習慣」と「すぐできるからやっちゃおう精神」が芽生えます。
結果として、宿題の量は減っても成績は伸びています。
予習をベースにした授業
当塾では、生徒が自分で予習内容のテキストを読んで問題を解いて、正解することをめざしています。
まさしくこれは、コンフォートゾーンの外に出ている状態です。
本来であれば、学校でも習っていない、塾で先生からも教わっていない勉強を自力で行うのは強い抵抗を感じるものです。
ですが、実際に自力で予習してみると意外と正解できることを経験します。
これが、コンフォートゾーンの外に出て成果を手に入れる経験となっています。
そのような経験をするにつれ、生徒たちはコンフォートゾーンの外に出ることへの抵抗感が小さくなります。
その結果、目標達成に果敢にチャレンジする気持ちが高まったり、欲求に基づいて目標を設定できるようになります。
間違った問題・解けなかった問題のやり直しを徹底
これは、コンフォートゾーンに引き戻されないことを目的としています。
例えば、英語で単語に「s」をつけ忘れる生徒がいます。
これは、コンフォートゾーンでの思考の結果です。
決して、ケアレスミスではありません。
そのため「つぎは気をつけようね」では、コンフォートゾーンから出ることはありませんので、つぎのテストでも同じように「s」をつけ忘れて不正解をくり返します。
実際のところ、今まで「s」をつけ忘れていた生徒が急に「s」をつけられることはありません。
そこで「s」をつけられるようにするためには、やり直しや反復が必要になります。
やり直しや反復を通じて、ある意味「s」がついていないことが気持ち悪いと感じられるようにします。
つまり、間違った問題や解けなかった問題を徹底してやり直すことは、難しいこと(=コンフォートゾーンの外に出ること)を何度もやって当たり前にする訓練でもあります。
当塾では、上記のような目的を生徒たちにきちんと伝え、理解したうえで取り組んでもらうようにしています。
ただ何となく宿題をしたり、間違った問題を反復するのでは、コンフォートゾーンの外に出ることが苦痛になってしまいかねません。
コンフォートゾーンを拡げるために、もっとも必要なものとは?
これまでの指導経験から、コンフォートゾーンを拡げるためにもっとも必要なのは「環境」だと考えます。
そこで高屋塾では、生徒たちが最適にコンフォートゾーンの外に出て、着実に成績が伸ばせる“環境づくり”に注力してまいりました。
上記でお伝えしてきた内容が、その一例です。
くり返しになりますが、誰であってもどんなことであっても、自力でコンフォートゾーンの外に出て成果を出し、コンフォートゾーンを拡げつづけることは相当難しいと言わざるを得ません。
だからこそ、コンフォートゾーンの外に出られる最適な環境を手に入れることが大切だと私は考えております。
そして「最適な環境」とは、自分が成長を実感できる状況であることと考えます。
コンフォートゾーンの外に出るうえで、先ほど「欲求」が大切だとお伝えしました。
それに加えて、もうひとつコンフォートゾーンの外に出るうえで大切な要因は「成長が実感できること」です。
もちろん、強い欲求を持っていて自己肯定感が高い人であれば、自力でコンフォートゾーンを拡げることは可能でしょう。
ですが、成長を実感することが少ないと、多くの人はコンフォートゾーンに戻ってしまいがちです。
また、自身の成長を実感することも意外と難しいものです。
必要なタイミングで“後押し”をもらおう!
例えば、一生懸命勉強したのにテストの結果が望んだものでなかったら「勉強しても意味がない…」と思って、勉強しなくなるかもしれません。
ですが、そんなタイミングで講師からこんな言葉をかけられたらどうでしょう?
「今回は、点数には結びつかなかったけれど、途中式を見たらきちんと理解できてきているよ。だから、ちゃんと学力は上がってきている。この調子で行けば、つぎのテストでは結果に表れるよ!」
このように、必要なタイミングで講師や先生、コーチなど信頼できる指導者から成長を実感できる“後押し”を受けることができれば、コンフォートゾーンの外での取り組みをつづけることができます。
このとき、指導者からの“後押し”は決して点数だけではありません。
少なくとも私は、点数以外の取り組み方や考え方、解き方など総合的に成長度合いを判断して、生徒に伝えるようにしています。
このような環境があれば、生徒はコンフォートゾーンの外でがんばりつづけ、コンフォートゾーンを拡げることができます。
塾に通いつづけなくてもいいよ
ちなみに「前の塾ではあまり成績が伸びなかったので、環境を変えたほうがいいと考えまして…」といった理由で転塾される生徒・保護者さまがいらっしゃいます。
この場合、お子さまが成長を実感できる「環境」であることが、望んだ成績を手にするための前提条件になります。
なお当塾では、自分で勉強して成績が伸ばせる生徒には「塾に通いつづけなくてもいいよ」と伝えることがあります。
それは、当塾にいつづけることがコンフォートゾーンになったり、依存になってしまうこともあるからです。
その場合には、当塾から別の環境に変えることが生徒のコンフォートゾーンを拡げることにつながるかもしれません。
そうすることで、生徒のさらなる成長につながるのであれば、私は当塾を“成長の通過点”として活用してほしいと思います。
そして、そういう生徒たちが増えるといいなと思っております。
「欲求」の源泉になるものとは?
最後に、もう一度くり返しますが、勉強を日々コツコツできるようになるには、コツコツできるようになるまでコンフォートゾーンの外に出て勉強をつづける必要があります。
このとき、勉強を継続する原動力になるのが「欲求」です。
そして、コツコツ勉強を継続するほど指導者からの言葉がけやテスト結果などから成長を実感できるようにもなります。
そうなると、コツコツ勉強することが当たり前になります。
さらには、着実に成績を伸ばすことやコンフォートゾーンを拡げることにワクワクするようになります。
このとき「欲求」の源泉になる要素のひとつが「夢や目標」です。
今、取り組んでいる目の前の勉強が、将来の夢や目標につながっていると“リアルに”実感できると、生徒たちの勉強することへの欲求が高まります。
ですが、多様化する現代では生徒ひとりひとりの夢や目標は大きく異なります。
だからこそ当塾では、勉強することが生徒ひとりひとりの夢や目標に“リアルに”つながっていることを実感できる働きかけをしています。
夢を叶える勉強法
意外と、学校や他塾でも夢や目標と勉強をつなげてあげるという視点はまだあまり少ないように感じます。
しかし当塾は「成績アップや志望校合格には、ワクワクする夢や目標が必要」という考えから、2022年の開校以来「ワクワクする勉強法」を提供しつづけています。
そしてそのメソッドは、日々進化しています。
ワクワクする仕掛けがあるから、生徒たちは積極的にコンフォートゾーンの外に出ることにチャレンジしています。
また、コンフォートゾーンの外でも取り組みやすい学習環境と講師による成長を実感できる言葉がけや働きかけによって、着実に勉強を継続しています。
それによってもたらされた成果および成功体験が、生徒たちにより高い成績や将来の夢・目標を描かせる欲求ももたらしています。
高屋塾は、これからも生徒たちの「夢を叶える勉強法および環境」を提供しつづけてまいります。
もし、お子さまが「勉強する気が起きない」とお困りなら、一度、当塾にご相談ください。
きっと、お力になれることがあると思います。
お子さまが、ワクワクして勉強に向かうことができるお手伝いができれば幸いです。
どうぞ、お子さまが最適に成長できる環境を与えてあげてください。
ぜひ、このつづきは教室でいたしましょう。
一緒に勉強できますことを、楽しみにしております。
最後までご覧くださいまして、感謝申し上げます。