新年を迎え、新たな学年に向かって生徒たちは、ますます目標を持って学習に取り組んでいます。
毎年、当塾ではこの時期に「今年度は、こんな取り組みをしますよ」という話を、生徒・保護者にお伝えする機会を設けています。
すでに、今年度の「学習の本質を理解し、効果的な習慣を身につけるための指導方針」は、オンラインにてお伝えをしました。
そこで今回は、既存の生徒・保護者にお伝えした内容一部を、ぜひ皆さんにも紹介させてください。
高屋塾の2025年度の指導方針
学習の目的とは?
まず「なぜ学習しなければならないのか?」という問いに対して、子どもたちからは「未来の選択肢を増やすため」、「将来お金持ちになるため」など、さまざまな意見が出ます。
それらはすべて正解だと思いますが、私の視点として、昨年度は「コンフォートゾーンから抜け出すために学習する」という話をしました。
「コンフォートゾーン」とは、自分が慣れ親しんだ環境のことで、人はそこから抜け出すことが難しいものです。
しかし、そこから抜け出すための経験こそが学習だと伝えてきました。
そして今年度は「1+1が2になるという、当たり前の法則を身につけるため」というテーマで話をしています。
「1+1=2」の法則とは?
1+1が2であることは、誰もが理解しています。
しかし、これは単なる計算の話ではありません。
ある行動を1回行い、つぎの日も1回行えば、行動の合計は2になる。
例えば、目標を達成するために100回の行動が必要ならば、毎日1回行動すれば100日で達成できる、ということです。
しかし、頭では分かっていても、実際には「0+0が、いつか100になる」と思い込んでしまうことがあります。
行動を変えられない理由
この話をすると、多くの人が「では、なぜ行動を変えられないのか?」と疑問に思います。
その理由は、脳の仕組みにあります。
例えば、草の上を歩くとしましょう。
最初は草が踏み倒されても、しばらくすると元に戻ります。
しかし、何度も踏まれると草が生えなくなり、新しい道ができます。
これは、人間の脳でも同じことが起こっています。
脳は、新しいことをストレスと捉え、リスクを減らすために変化を避けようとします。
そのため「いつも同じミスをする」、「習慣が変わらない」、「ついスマホばかり見てしまう」といった行動をくり返してしまうのです。
目標を立てても行動に移せないのは、脳の仕組みによるものだと理解することが大切です。
行動を変える3つのステップ
では、このブロックを解除し、新しい道を作るにはどうすればよいのでしょうか?
そのための重要なステップが3つあります。
1. 未来を描くこと
例えば、私は水泳が苦手で練習を避けていましたが、ハワイでのトライアスロンに出場し、ゴールする姿を何度もイメージすることで、少しずつ行動へのブロックが弱まりました。
目標を掲げるだけでなく、それをくり返し思い描くことで、行動が変わるのです。
2. 今やっていることと新しいことをセットにする
私は毎朝ランニングをしていますが、水泳は苦手でした。
そこで「ランニングの帰りにプールに行く」という習慣を作ることで、自然と水泳の練習ができるようになりました。
子どもたちに置き換えるなら「SNSを見る前に、YouTubeで理科や社会の動画を見る」など、既存の習慣に新しい習慣を組み合わせることで、学習の習慣を身につけることができます。
3. 行動のハードルを下げる
いきなり30分や60分の勉強をしようとすると、脳のブロックが強くなってしまいます。
そこで「5分だけやってみる」など、小さなステップからはじめることが大切です。
私もプールに行くのがおっくうにならないように、仕事帰りにすぐ行けるよう水着を着て出かけることもありました。
こうすることで「やらない理由」をなくしていきます。
塾のサポート制度

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今年度は、こうしたステップを意識しながら、少しずつ新しい道を作る努力をしていってほしいと考えています。
そして、子どもたちが行動を変えやすくするために、塾では「銀貨制度」を導入しました。
これは、提出物(ワークやレポートなど)をしっかり提出したら銀貨がもらえるという仕組みです。
銀貨5枚で金貨1枚になり、金貨10枚で商品券に交換できるようにしました。
また、塾に来ていない日でも、オンライン自習室を利用できるようにすることで、自宅学習の習慣づけをサポートしていきます。
こうした工夫を通じて「1+1=2」という当たり前の法則を体感し、行動を積み重ねることの大切さを実感してもらえればと思います。
まとめ
学習の成果は、一気に現れるものではなく、小さな行動の積み重ねによって生まれます。
今年度は、「1+1=2」というシンプルな法則を大切にし、コツコツと積み重ねる習慣を身につけることを目標としています。
未来を描き、小さな行動を続けることで、大きな成長へとつなげていきましょう。
塾としても、子どもたちの行動を後押しする仕組みを整え、しっかりサポートしていきます。